大阪市職員の「学歴詐称」1141人に 中間まとめ
2007年04月20日13時45分
大阪市は20日、大学や短大を卒業したのに、高校卒業を受験資格とする試験などで採用されていた市職員らを調べた結果、計1141人が「学歴詐称」を自己申告した、との中間まとめを発表した。市は20日いっぱいで集計を終え、実態を精査したうえで、5月中にも対象職員を1カ月の停職処分にする。予想外の大量処分となることから、市民生活に悪影響が出ないよう、停職の開始日を職員ごとにずらす方法などを検討する。
兵庫県尼崎市や神戸市で同様の学歴詐称が相次いだのを受け、3月9日から調べていた。尼崎市は2人、神戸市は36人を諭旨免職にしたが、大阪市は自主申告すれば停職1カ月にとどめ、その後に発覚した場合は懲戒免職にする前提で調査。当初期限の3月29日では申告が終わらず、4月20日まで延期していた。
中間集計で申告者が多かったのは、環境局193人▽建設局155人▽市教委148人▽交通局120人▽水道局86人▽ゆとりとみどり振興局81人――など。区役所は西成区の21人を筆頭に、全区で対象職員がいた。
職種別では、環境局がごみ収集作業員122人とごみ焼却工場の作業員58人で大半を占めた。建設局は下水道維持管理職員88人、道路維持管理職員37人などが多く、市教委は学校の給食調理員72人、管理作業員70人、交通局は地下鉄駅職員60人、地下鉄運転士20人、バス運転手15人などが目立った。
大阪市は02年度採用試験から原則的に学歴制限を撤廃したが、現在も保育士と消防吏員の一部、学校事務職員では「大学卒以外」や「短大卒程度」などの制限が残る。